老人ホームに関する相談窓口

老人ホーム1

自分に合った老人ホームを探すときや、入居後に老人ホームに対して不満が生じた際に、第3者へ相談したいときがあります。こうした場合、どこに相談したら良いのでしょうか?老人ホームに関する相談窓口はたくさんありますが、それぞれメリットとデメリットにつき検討し、最適な機関に相談したいものです。

老人ホームに関する相談窓口の具体例と特徴について解説しましょう。

老人ホームにおけるテレビの扱いについて

高齢者総合相談センター

老人ホームに関する相談窓口として、まず公的機関が挙げられます。特別養護老人ホームやケアハウスといった公的機関が運営する老人ホームへの入居を希望する場合は、行政機関に相談することが望ましいと言えます。公的機関としては高齢者総合相談センターに相談することが多いでしょう。

高齢者総合相談センターは、シルバー110番とも呼ばれており、高齢者と家族のあらゆる悩み相談に電話や面談で応じてくれます。無料電話相談の番号は「#8080」です。老人ホームを探す段階だけでなく、入居してトラブルに巻き込まれた際にも頼りになるでしょう。

ただし、各都道府県に1つずつ設置されているため、自宅の場所によっては訪問するのが大変な場合もあります。

地域包括支援センター

老人ホームに関する問題を抱えている際には、市区町村が運営している「地域包括支援センター」という公的機関に相談することもできます。地域包括支援センターは人口1.5から3万人の圏域に1ヵ所の割合で設置されているので、先述の高齢者総合相談センターより身近な存在と言え、面談もしやすいでしょう。

地域の高齢者の自立支援や尊厳保持を目的とする地域包括支援センターは、老人ホームに関する事項だけでなく、医療・保険・福祉サービスなど幅広く支援してくれます。虐待防止や介護予防マネジメントに関する相談も受け付けています。

ただし、地域包括支援センターが持つ情報はあくまでもその地域限定のため、市区町村内全ての老人ホームに関する情報を網羅しているわけではありません。参考元→ウチシルベ … 老人ホーム検索

地域包括支援センターが紹介できる老人ホームは、センター周辺のエリアに限定された施設なのです。

福祉事務所

福祉事務所は、高齢者福祉だけでなく、生活保護・知的障害者の就労支援・母子福祉資金の貸付など、社会福祉法に基づく福祉サービスを幅広く担当している社会福祉行政機関です。都道府県・特別区・市に設置されており、老人ホームを探している高齢者の相談にも乗っているのです。

ただし、高齢者総合相談センターや地域包括支援センターと同様に、福祉事務所も公的機関なので、特定の老人ホームを勧めることはできません。担当地域外の老人ホームに関しては、情報が乏しいという点にも注意しましょう。

ケアマネージャー

居宅介護支援事務所や各介護保険施設で働くケアマネージャーは、高齢者に一番近い立場に立って老人ホームに関する相談に乗ってくれます。ケアマネージャーは、介護に関する国家資格で、要介護者の心身の状況を的確に把握し、介護保険サービスの最適な利用方法を個別に模索する業務を担います。

ケアマネージャーが作成するケアプランに基づき、介護保険サービスの内容が決められるのです。さらに、ケアマネージャーは、行政機関と高齢者の橋渡し役を果たしたり、入居施設に対して介護サービスの改善を要求したりします。

高齢者は自分に合ったケアマネージャーを見つけられたら、スムーズに老人ホームを探せるでしょう。もし、自分に合わないと思った場合は、居宅介護支援事業所や市町村の窓口に交代を申請することも可能です。もっとも、ケアマネージャーの仕事のメインは在宅者の介護生活をサポートすることで、老人ホームの専門家というわけではありません。

老人ホームの紹介などは副次的な業務なのです。日常的に高齢者と接する機会が多く、高齢者本人の健康状態や性格などを把握している点では、ケアマネージャーが最も頼りになるのですが、老人ホームの契約や交渉のプロではないことを忘れないようにしましょう。

市区町村の福祉課

身近な存在として活用頻度が高い役所にとりあえず相談するのが簡単かもしれません。市区町村の役所には福祉課があり、介護保険制度や老人ホームに関する簡単な相談には応じてくれます。役所ではカバーしきれない相談であれば、適切な相談窓口を紹介してくれるので、あちこち巡り歩く手間が省けるでしょう。

民間の紹介センター

民間の紹介センターも、公的機関と同じように無料で相談に応じてくれます。全国の老人ホームに関する情報を提供してくれるので、広範囲にわたって老人ホームを探している高齢者には有益な機関と言えるでしょう。施設の評判やおすすめ情報なども教えてくれるため、公的機関より生々しい情報も得られます。

ただし、民間の紹介センターは、提携する老人ホームから紹介料を受け取ることにより経営が成り立っており、その分情報に偏りが生じる可能性を否定できません。つまり、全国の情報を持っているとはいえ、全ての老人ホームについて公平な情報を提供するとは限らないということです。

そこで、具体的におすすめする老人ホームの数がどれくらいあるのか予め聞いておくと、民間の紹介センターを有効活用できるでしょう。

国民生活センターや全国の消費生活センター

国民生活センターや消費生活センターは、市販品に関する苦情だけでなく、消費生活全般の相談に乗ってくれます。したがって、入居先の老人ホームとトラブルになったという場合は、苦情や相談を受け付けてくれるのです。

公正な立場で対策を提案してくれるので、こうした生活センターも利用すると良いでしょう。

法律事務所

老人ホームで生じたトラブルに関して、上記のような機関に相談しても解決しないときは、弁護士に相談するしかありません。最終的に裁判所の審判を受ける段階まで達しなくても、弁護士を介して和解に持ち込めるケースが多いでしょう。

ただし、弁護士保険などに加入していないと、弁護士報酬や事務費用の出費がかさむことを念頭に置いた方が良いでしょう。

老人ホームに関する問題は複数の機関に相談しましょう

以上のように、老人ホームに関する相談を受け付けてくれる機関は、公共機関から民間の紹介センターまで多岐にわたります。どれが最適かという点は、個人の状況により異なるため、一概に決められません。そこで、アクセスしやすい複数の機関に問い合わせて、できるだけ多くの情報を得るよう努めましょう。

どこから手をつけて良いかわからない時は、とりあえず最寄りの役所の福祉課に相談して、相談窓口を案内してもらいましょう。