路線検索だけで選ばない!老人ホームを決める前に基本的な知識を抑えておこう!

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これから老人ホーム探しを検討している方の中には、具体的に何から始めてよいのかわからずに、困っているケースがあるかもしれません。実際に老人ホームには多種多様なタイプがあるので、知識の乏しい方がインターネットで地域検索や路線検索しただけでは、理想のタイプを選ぶのは難しいでしょう。

そこで老人ホームの種類や探す際のポイントについて、ここでは紹介します。

老人ホームに関する相談窓口

老人ホームにも様々な種類がある!まずは有料老人ホームからチェック!

世間一般では老人ホームを一つの括りで考えがちですが、実際には幾つものタイプがあります。それぞれ役割や特徴も異なるので、施設ごとに違いを理解しておかないと、自分や家族にとって理想的な老人ホームを見つけることは難しいでしょう。

最初に老人ホームと聞いて真っ先にイメージされるのが、有料老人ホームではないでしょうか。有料老人ホームには、さらに介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームに大きく分けることができます。前者の介護付き有料老人ホームでは、24時間常駐の介護スタッフによって、住居と同じく日常生活で必要な身の回りのサービスを提供します。

ここは介護保険法に基づいて運営されていますが、運営の主体は株式会社といった民間企業が中心。また利用料金についても、要介護度やサービス内容によって自己負担額が変わる上、入居一時金が高額な施設があったり、他方で月額料金のみで入居可能な施設もあるなど、老人ホームごとに費用に幅があるのが実情です。

後者の住宅型有料老人ホームにおいては、介護を必要とする方だけでなく、要支援の方から自立して生活できる方まで、幅広い身体レベルの方が入居できる点に特徴があります。ここでは比較的支障なく自立して生活できる入居者が多いため、主なサービス内容も入居者だけでは足りない部分の生活支援や、定期的な健康管理などに重点が置かれる傾向があります。

また健全な身体機能を維持している入居者も目立つため、体を動かすようなイベントやレクリエーション活動に力を入れる施設も目立ちます。ただし利用料金は原則的に介護保険の適用がないので、施設やサービス内容しだいで高額になることも十分にあり得ます。

もし介護が必要になった場合には、介護スタッフも常駐していないため、外部の介護事業者に依頼することになるのが通常です。その際には在宅介護サービスの範囲内で介護保険が適用されますが、それ以外でサービスを希望するなら自己負担となります。

既に要介護の状況なら介護保険施設へ!

既に要介護認定を受けた家族のために、これから老人ホーム探しをする方もいるかもしれません。このケースでは要介護認定を受けた方が前提となる、介護保険施設を探す必要があります。通常は地域のケアマネジャーと相談しながら進めることになりますが、あらかじめ自分たちの希望やニーズに合った施設を明確にしておくと、入所までスムーズに進めることが期待できるでしょう。

介護保険施設はその名称の通り、介護保険制度に基づいて運営される施設。ただし運営主体は原則的に地方自治体や社会福祉法人に限定されており、事実上は公的施設と言えます。これは民間企業を運営主体としている、前述の有料老人ホームとは大きく異る点です。

もちろん介護保険施設においても、要介護度や身体状況ごとに様々なタイプがあり、施設の目的やサービス内容にもそれぞれ違いがあります。まず介護保険施設の中で一般的によく知られているのが、通称「特養」と呼ばれることも多い、特別養護老人ホームでしょう。

ここは要介護度3以上の認定を受けた、65歳以上の高齢者を対象とする介護施設です。サービス内容は24時間常駐の介護スタッフによる、日常生活に関する身の回りの世話や身体の介助が中心。介護保険の適用を原則としているため、利用料金は比較的低く設定されています。

その一方で入居希望者が集中しやすく、入居までの待機期間が長期化する傾向が見られます。もう1つ介護保険施設で忘れてはならないのが、介護老人保健施設です。「老健」の通称でも知られ、要介護1以上で65歳以上の高齢者を対象とします。

この施設の目的は、入居者の在宅復帰や社会復帰をできるだけ速やかに実現すること。したがって入居期間が他の介護施設よりも、比較的短く定められている点に、大きな特徴があります。また入居者の復帰をサポートするために、施設内には理学療法士や作業療法士といったリバビリの専門職を常駐させており、これも老健ならではの特徴と言えるでしょう。

介護保険施設で最後に紹介したいのは、介護医療院です。これは前身の介護療養型医療施設が発展的に解消され、2018年に法制化されて始まった、比較的新しい形態の介護施設。医療院という名称からも理解できるように、入居者は長期的な介護だけでなく、認知症のように医療も必要とする高齢者を対象とします。

そのため施設内には常勤の医師や看護師が配置されており、日常的な医学管理をはじめ看取りやターミナルケアといった、様々な医療サービスの提供が可能です。

老人ホーム以外の選択肢もある!

ここまで紹介してきた老人ホーム等の施設以外にも、高齢者や要介護者が入居可能な施設が幾つかあります。例えばサービス付き高齢者向け住宅もその1つ。これは高齢者が生活しやすいように、バリアフリーに対応した賃貸住宅を指します。

この住宅には一般型と介護型の2つのタイプがあります。まず一般型では、自立して生活できる原則60歳以上の高齢者か、仮に要介護であっても軽度の高齢者を対象とします。住宅内には介護や医療の有資格者が日中のみ常駐していたり、安否確認や生活相談サービスを提供するケースが目立ちます。

ただし本格的に介護が必要になれば、外部の在宅介護サービスと個別に契約して利用することになります。また運営会社によっては、介護度が一定を超えると退去しなければならないケースもあります。高齢者向けといえ、基本的には一般的な入居者に近い生活レベルを想定した賃貸住宅と言えるでしょう。

これが介護型のサービス付き高齢者向け住宅になると、介護サービスの充実度が高くなる傾向が強まります。建物内には介護や医療の有資格者が24時間常駐しており、食事や掃除あるいは洗濯といった生活支援や、入浴や食事さらに排泄などの身体介護、さらにはイベントやレクリエーション活動に至るまで、介護付き有料老人ホームとほぼ同じレベルのサービスを受けることが可能です。

老人ホームを探す前に条件整理をしておこう!

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それでは理想的な老人ホームを探すには、何から始めればよいのでしょうか。

インターネットで地域検索や路線検索をしただけでは、理想のタイプの老人ホームに出会うことは難しいでしょう。

まず老人ホーム探しを始める前に、自分や家族の希望する条件をしっかり整理することです。立地はどこがよいのか、費用はどこまで許容できるか、サービス内容や施設に何を求めるのか、できるだけ詳しく整理することがポイントになります。

また実際に施設で暮らすのは入居する本人である以上、その意思を優先して検討することも忘れてはならないでしょう。親の入居先を探しているなら、自宅から近い場所の方が安心すると言うかもしれません。あるいは夫婦で終活のために探すなら、お互いが納得できるまで、具体的に条件整理しておくことが大切です。

スタッフの質がサービスの満足度を左右する!

老人ホーム探しでは、費用や設備にばかり目が向きがち。しかしそれでは理想的な施設を選ぶのは難しいかもしれません。介護事業が対人援助サービスである以上、スタッフの質こそが介護サービスの満足度を左右するといっても、決して過言ではないからです。

ただしそれを見極めるには、ネット検索で公式サイトや比較サイトを調べたり、パンフレットや広告を見比べるだけでは不十分。実際に施設見学することによって、五感から情報を得て判断することが、重要なポイントになります。

施設見学ではスタッフの礼儀や身だしなみ、仕事中の表情や動作などをよくチェックしましょう。例えば表情が硬く余裕がないようなら、人員不足などによって、十分な介護サービスを提供できていないかもしれません。同時にサービスを受ける入居者の様子や雰囲気も、できるだけ詳しくチェックするべきです。

衣服に汚れがないか、明るく穏やかな表情をしているか等、様々な視点でサービスの満足度を推測していきます。もし疑問があれば遠慮せずに、その場でスタッフに質問しましょう。

基本的な知識や選び方のポイントを理解してから行動を!

一口に老人ホームといっても、介護保険制度によって目的や役割が異なっていたり、運営主体ごとにサービス内容や費用に大きな違いがあるなど、そのタイプは幅広く多岐にわたるのが現状です。このためネット検索だけに頼ってしまうと、なかなか理想的な老人ホームを探すのは難しいかもしれません。

そこでまず基本的な知識や選び方のポイントを理解してから、事業者へ直接問い合わせたり、専門家に相談することをおすすめします。